Thursday, February 18, 2010

20分でパスタ!から学ぶこと

お腹がすいた時、「すぐにできるもの」の代表として、パスタを挙げる人は多いのではないだろうか。パスタは茹でるだけだし、ソースもそんなに時間がかからない。しかもソースに入れる具次第で、タンパク質と野菜と炭水化物が一緒に摂れる、優れた一品料理であるからだ。私も大いに賛成である。ただし私の場合、「すぐにできる」と言っても語弊があって、作るからには最高のパスタをなどと本を持ち出したり、何の具を入れるか迷った挙げ句に冷蔵庫の野菜を全部カウンターの上に並べて眺めたり、パスタがゆで上がった時にソースが出来ていなくては一大事と、まずソースを作ってからパスタを茹でたりと、とにかく時間がかかる。特にソースは完璧に作らないと気が済まない。私はKihachi (熊谷喜八さん) の、スパイスから作るスペアリブのカレー等で料理作りの道をスタートしたので、鍋の中でたくさんの具とソースが混然一体となっていないとどうも納得がいかないのである。

そんなこんなで最もスピーディであるはずのパスタ作りも、あれやこれやで一時間はかかるのが常であったのだが、最近、そんな私の料理を見ていた友人から「何でも入れ過ぎ注意報」が発信されたのを機に、自分の料理全体を見直してみた。考えてみるとたしかに、「たくさんの具を長く煮るのが一番」という暗示にも似た固定観念が私にはあるようだ。子供の頃から何時間も煮込んだあたたかい母親のシチューが大好きだったのと、前述のスペアリブのカレーが煮込み三日目で一番おいしかったことが原因かもしれない。しかしやはり料理によって調理法は変わるはずだし、たくさんのものを無闇やたらと煮れば良いというわけでは、もちろんない。よし、じゃあ今日はパスタの水を火にかけてからソースを作ろう!具もシンプルに!

*20分でほうれん草とベーコンとオリーブのトマトソースパスタ*

***材料(一人前)************************************************
にんにく(ひとかけ。潰す)
玉ねぎ(1/4。薄切り)
ほうれん草(好きなだけ。食べやすい大きさに切る)
ベーコン(一〜二枚。八等分くらい)
黒オリーブ(缶詰で良い。6粒くらい)
ホールトマト缶(半分くらい。好みで)
オリーブオイル、塩こしょう(適量)
パスタ(好きなだけ)
***作り方********************************************************
1。フライパンに水たっぷりと塩大さじ一を入れて強火にかける。
2。鍋にオリーブオイルを入れ、にんにくを入れる。香りが立ったら玉ねぎを炒める。
3。ベーコンを入れて炒める。次にほうれん草。(フライパンの水が沸騰したらパスタを入れる)
4。よく炒めたらトマトを入れ、鍋の中で潰す。黒オリーブを入れ、鍋の中で潰して細かくする。塩こしょうで調味し、ソースがとろりとするまで煮る。
5。パスタをアルデンテの直前で引き上げ、そのまま4の鍋に投入。一瞬強火にしてパスタとソースをあえる。お皿に取ってできあがり。
******************************************************************

20分弱で作ったこのパスタ、たぶん今まで作った中でも最高峰の出来だった。ソースはトマトの味がしっかり出ているし、ベーコンもほうれん草も味が立っている。今までは煮すぎて具が溶け、味がだらけてしまっていたのだ。これは大発見である。特筆すべきは、パスタとソースがそれぞれ引き立っていたことで、ソースと共にパスタそのものを味わう重要性を発見したのは私的には大きかった。ソースとパスタは別物であるべきで、ソースの中に溺れてはパスタの味が死んでしまう。ポイントさえ押さえれば、レストランの味が自分でも作れるのである。

「時間さえかければ良いものができる」というのは単なる思い込みだったのだ。肝に銘じようと思う。20分パスタが教えてくれた、大事なこと。


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