Monday, May 21, 2012

ベルリン滞在記(2)

かわいくないベルリンクマ



もう忘れかけてますが、、、初志貫徹を目指し、久しぶりにヨーロッパ編ベルリン滞在記(1)のつづきです。

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ベルリン2日目は、現代美術館と、お約束のベルリンの壁。

ドイツ語は全く読めないのでどうしようもない。行き先を発音出来ないのは、何とも気持ちの悪いものだ。もん嬢と私は地図をにらめっこ。のんびりした街をぷらぷら歩きながら、ようやく着いた現代美術館。元駅だったのを改造したらしい。

所蔵品は、ほとんどアメリカのアート。現代美術館だもんね。しかし有名だが見た事のなかった壁のようなウォーホルや、美しいトンブリー、ラウシェンバーグにキーファー、ビュオイ等を見られて、大満足。中央ホールには巨大なビニールボールが天井と床からロープで固定されていて、客は中に入って寝そべることができる。 高所恐怖症の私だが、もん嬢と挑戦した。もん嬢は楽しんでいたが、私は青くなってほぼ動けず。怖いものはどうやっても怖い。別館も広く、面白いものを色々見た。

ちなみにこの日の昼は、どでかいベルリン中央駅でドイツのファーストフードに挑戦した。ガイドブックに載っていた「Curry Up」なるもの。輪切りにしたソーセージにカレー粉と濃いケチャップソースのようなものがかかっていて、それにパンが付いてくる不思議なセット。ソー セージの皮は揚げてあるような触感で、なかなかいけた。更に違うカフェで、私はカツレツのサンドウィッチのようなものを食べたのだが、恐ろしいぐらいでかいカツレツだった。もっと恐ろしいのは、半分しか無理と言いながら結局全部ぺろりと平らげた自分だったが。。。旅というのは、体力を使うんですよね。

へんなファーストフードだが、なかなかいけた。

ベルリンの壁についても少し。壁の周りは近代的な建物ばっかりで、壁だけが浮いているような変な気分を味わった。歴史の教科書を見ているよう。パスポートに東西ドイツの入国スタンプを押す商売のお兄ちゃんがいたが、それは、いいのか?ドイツ人の中年夫婦が笑って大丈夫だよと教えてくれたが、、、。
お土産やで、とってもベタだけど、ベルリンマグカップを買ってしまった。かわいくないクマがいっぱいで、とってもかわいい。NYで愛用中。

夜は伝統的(と思われる)ドイツのバーで夕飯。パヒ〜で買ったガイドブックにちょこんと載ってたお店。地図を頼りに大きな公園の周りをたどって延々歩くが、行けども行けども森(公園)ばかり。そのうちに日は沈み、奇麗な夕焼けと澄んだ空気を堪能するが、目的地には辿り着かない。。。目印の駅を通り過ぎるころ、もう辺りは薄暗く、人影のない通りにふたり不安になる。NYだったら強盗にあいそう。すると向こうから若いカップル登場!明らかに旅行者で、一気に安心感アップ!そのあと数分歩くと、そのバーはあった。それは高架線の下にあり、古くて小さくて、新橋あたりの飲み屋そっくり。「トンテキ」って書いてあるんじゃないかと思った。ドイツの地元おじさんがたむろして町内会会議でも開いている感じのいい店だった。壁には世界各地からの旅行者のメモが残してある。私もりーぬの絵を残して来た。
ここのバーのオリジナルのビールと、ドイツの伝統的煮込み料理グラーシュ、更にソーセージを注文。しかしこのグラーシュがまた、塩辛い!!ドイツの味付けは一体どうなっているのだ?しかし一緒にビールを飲むと、何となく納得。隣に変なおやじが座り、絡まれそうになった。何か話しかけて来て、何と人の皿から勝手に一口失敬!これには私ももん嬢もびっくり。酔っぱらいは困るね。



ベルリン3日目は、ホロコースト記念碑と、ギャラリー巡り。
ホロコースト記念碑は、でかかった。。。高さの違う黒い石のブロックが、背の高さを変えて地面からにょきにょき生えている。ブロックの集合体の中に入ると、迷路に迷い込んだみたい。

ベルリンには何ヶ所もギャラリーの集まった地域があるが、今回はミッテという地区に行った。噂通り、小さいものから大きいものまでたくさんある。ギャラリーもアーティストも若手が多い印象を受けた。ニューヨークと比べてお金お金していなくて、のびのびしている感じ。余り時間がなかったのでとても全部は回れなかったけれど、雰囲気を感じられただけでも行った価値はあったと思う。

夜は滞在先の家の近くの幽霊バーで一杯。来て良かったねと言いながらふたりでしみじみ飲んだ。空にかかった雲は夕焼けで真っ赤に染まって、気もちの良い夕暮れ。ベルリンは空がきれいだ。ふるさとを思い出した。いいとこだったなあ、ベルリン。

次の日、駅でしめ鯖みたいのが具になっている前代未聞のサンドウィッチを堪能し、飛行機であっという間にパリに戻ったのだった。


前代未聞だったが、うまかった。


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Sunday, May 13, 2012

母の日に愛を

今日は、母の日。

街は赤やピンクの飾り付けでいっぱいだ。母の日セールも満開。友達のところにはお母さんが遊びに来て、一緒にディナーをすると言っていた。レストランにもちゃんと母の日メニューが用意されているのだ。

我が家では、姉がこっそりプレゼントを作っていたらしく、どうだと言って完成品の写メを送ってきた。透けそうに薄い赤い紙で出来ている一輪の花。とてもきれいだった。
私も日本にいればきっと何かするだろうに、アメリカではどうしようもない。

でも……大丈夫。私は愛を送るから。




        ママ、いつもありがとう♡♡♥



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Tuesday, May 8, 2012

マキネッタなるもの


ちょっとバタバタしていたら、もう五月も二週目だ。私はアメリカにいるくせに、インフルエンザをどこぞで頂戴し、今年は図らずも一人ゴールデンウィークを満喫してしまった。ようやく床から離れたところです。

体が良くなったので、ようやくずっと試したかったものを試すことができた。それは、マキネッタなるもの。イタリアのBialetti社から出ている直火式コーヒーメーカーだ。



私は自他ともに認めるコーヒー中毒だが、自分でいれるドリップコーヒーはどうも美味くない。そのうえ最近、スタジオの周りで買うコーヒーの味に疑問を持つようになった。それなら自分で美味くいれようと思ったとき、結晶のように頭に浮かんで来たのは、大学院の時にスタジオが隣だったヤングサンの姿である。

彼はその名前の如くまるで太陽のようにあたたかい人柄の、ちょっと珍しいほど気持ちのよい青年であったが、彼は何よりもコーヒーを愛していた。彼は制作机の脇に小さなコーヒーミルを備えていて、飲む度にスタバの豆を轢き、日に何度となくドリップコーヒーをいれた。まるで大切な儀式を行っているような、侵し難い静寂を感じたものだ。私も何度かご馳走になったが、それは同じ豆なのにスタバのものよりもずっとおいしかった。飲む直前に豆を挽くのが大事だと彼は言っていた。私は彼が持っていたのと同じコーヒーミルを買うことにした。そのついでに出て来たのがマキネッタである。

この奇怪な形の器具は、そういえば常にホールフーズに並んでいる。しかし知らないうちは、一体これが何のために売っているのかも判然としない。知ろうとも思わない。だが、見てしまった。ベルリンの友人宅に、コイツがちょこんと座っていたのだ。くすんだ銀がキッチンのカウンターにひかっていた。

ネットでその構造を調べると、ブリア・サヴァランの『美味礼賛』にある「コーヒーについて」の章を突然思い出した。サヴァランが最も美味としたコーヒーのいれ方『デュベロワ式』の構造が、このマキネッタそっくりなのである。私は熟考の末、コーヒーミルとともに、とうとうコイツを注文した。



このマキネッタでいれたコーヒー、本当に美味しいのである。ヤングサンに敬意を表して、ドリップと同時にいれて飲み比べたのだが、その味の違いには驚いた。もちろん、構造が違うのだから、味も違って当然だ。ドリップは、どこまでも見渡せる秋の空のように澄んでいてスッキリしている。マキネッタは、まろやかで甘味がありコクがある。この違いはドリップがフィルターを通すために、豆の油分が抜き取られることに由来するのかもしれない。マキネッタの方は、湯が豆を直接通って、油も一緒に出てくるのだから。それにしても豆の味までちゃんと出ているのには感心した。イタリアの定番というのも頷ける。ドリップ用のコーンは、棚の奥にやってしまった。これを朝作って、スタジオにも持って行くと思うと、今からわくわくするのである。

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