Sunday, December 11, 2016

(情熱の)飼葉を求めて数マイル


スタジオの前に馬を見に行くのが最近の日課。
それぞれの馬の性格が、だいたい分かって来た。

まず最初にやってくるのが、若くて好奇心旺盛なポニーのフェイリーン。
それを見て邪魔しにくるのが、アリ。笑
茶色の馬チャンキーは、いつも遠くでのんびり草を食んでいて、なかなか来ない。
他の二頭の白馬は、どちらも白内障で、目が見えないらしい。太陽光線から目を守るためにマスクをつけているルーシーは、いつもぼんやりと立っているか、草を食べている。
もう一匹の白馬であるアリゾナは、とにかくずーっと餌場にいて飼葉を食べ続けている。

牧場主のデイビッドがやってきた。週に数回、餌をチェックしに来る。最初に会った時から私とデイビッドは友達である。

今日は、餌の飼葉を仕入れに行くので一緒にくるかという。面白そうなので付いて行くことにした。

Deep Hollow Roadという地元民しか知らない秘密のショートカットを車で行く。ここは昨日私がひとりさまよったマイナス2度の茶色いワンダーランドではないか。だいぶ距離を行ったような気がしていたが、車で通ると何の事はない、通りのほんの入り口をうろついていたに過ぎないことが分かった。車って本当にすごい。

丘のようなところをずーっといく。車道の脇は崖のようになっていて、下にはきれいな川が流れている。ここらは狩場でもあり、猟師たちは鹿や熊を狩るので夕方は歩くなと言われた。リアルに怖い。

ショートカットを抜けて、普通の道路に出る。さらに15分くらいかけて、牧場や凍り始めている沼を抜け、目的地の牧場用の品物を売るお店に到着。

クレーン車らしきもので飼葉のロールを運ぶ。

餌、でかっっ。

飼葉をロールしたものをクレーンみたいなでかい車で運んで来るのを、デイビッドの車にどーんと乗せる。飼葉三つで、約二週間分の食糧らしい。馬たちはとにかくたくさん食べるのだ。

ここはデイビッドの友人がやっているらしく、若干高いがヘルプする意味も込めていつもここで買うのだと言っていた。


作業を見ている間、太った猫が人のズボンで勝手に汚れを取っていた。

帰りの様子。
荷台に飼葉をふたつ積み、帰路につく。いつものことだが、行きよりずっと短く感じられる帰り道。デイビッドに日本における米の種類の豊富さと米にかける日本人(っていうか私?)の情熱を語ったら、米を食うために日本に行きたいと目を輝かせていた。。。

帰ってくると、馬たちは大喜び(に見える)。みんな柵のところまで来て、デイビッドを熱い目で見つめる。さすが飼い主、と思っていたら、りんごをぽんぽんと柵の中に投げ始めた。わらわらとりんごに群がる馬たち。そうか、やはり餌付けなのか。

馬たちは老いて役に立つわけでもないし、お金的にもマイナスでしかない、しかしこの馬たちは自分の癒しなので飼い続けて来たし、これからもずっと飼い続ける、と熱く語っていたデイビッド。実際、餌代も人件費もかかるし、世話するのも一仕事だ。この情熱あっての餌付けなのだと納得。情熱もいろいろあるなあ。

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