Monday, April 12, 2010

机のうえの小さな子

私の机のうえには、小さなサボテンがいる。


半年ほど前、友人が家に遊びにきた時のことだ。彼はいつも背負っている汚いバッグの中から、おもむろにビニール袋を取り出した。その中には、小さな小さな緑の切れ端が三つ入っていた。何かと訊くと、サボテンの切れ端だという。彼もそれを他の人からもらったのだが、自分では育てられないので、私に託したいのだった。


植物か。一瞬考えたが、サボテンならまあと、引き受けることにした。実は以前、バジル栽培に凝ったことがあって、庭がないので部屋の中で鉢植えを育てていたら、虫が大量発生して息が止まるほど驚いたことがあった。しかしサボテンならその心配もなかろう。


サボテンなので、水をたまにやるだけで良いらしい。鉢もいらず、何か浅い入れ物に、水とこの切れ端を入れておけば、そのうち勝手にどんどん増えるということだった。それで食べ終わったばかりの「ボン・ママ」のいちごのジャムの蓋を持ってきて、少しの水を張り、サボテンの切れ端を浮かべた。それは植物というよりは、緑色の細胞がそこにあるといった感じだった。特に育てようと言う気もなかったが、サボテンはたくましく日々新たな芽を出し、寒かった冬も余裕で超し、半年経った今では昔の切れ端だった姿などどこにもなく、誰がどこから見ても立派な植物に成長したのだった。


毎日机のうえで、見るともなく見ている小さな子。気付いたらこんなに大きくなっていたのだなあと、ふと感じいった。


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2 comments:

Unknown said...

サボテンの生命力はすごいもんやな~
私もたくさんプラントを育ててるけど、冬は元気がなかったのがこの季節になると新芽が出てきたりするのを目にするとウキウキするよね、 
友人の引っ越し祝いにあげたプラントが次回その人の家を訪ねたとき大きくなってたりするのも妙に嬉しいよね、 
植物に気をあげ、また植物からも気をもらいます。

Yuriko Katori said...

ですよね〜癒されるというか何と言うか。毎日見てるので一緒に育っていってる気もします。(自分も育ってると信じたい。。。)

新芽がわさわさしてるのを見ると、こんなに四季のめちゃくちゃでも、やはり春を感じますね。植物は知ってるな〜