ものぐさ本読み機、稼働中 |
最近、よく本を読む。時間がなかったときに何も読んでいなかった分を取り戻すかのように、とにかく暇があれば何か読んでいる。サブウェイの移動中に読み、カフェでコーヒー買ったついでに読み、スタジオで仕事せずに読み(おいおい)、家でご飯を食べながら読み、風呂につかっては読み、寝る前にベッドで読み。まるで読書の波に呑み込まれているようだ。
私の場合、何かに対する情熱は、このように波となってどどーんと来ることが多い(そしてしばらくするとさーっと引いていく)。そういう時は、たいていそれしか出来なくなってしまう。コンスタントに何でも少しずつこなすのが理想的なのだが…。よく分からないがなぜか私の欲求はそういう風にはやってきてくれない。
それで、さいきん本を読んでいる時にいつも「欲しいなあ」と思うものがある。それは、「私の代わりに本を持って、しかもページをめくってくれる」機械だ。これを仮に、人がものぐさな態度のまま本を読むことを可能にしてくれる機械、略して「ものぐさ本読み機」と名付けよう。特にご飯中とベッドに仰向けになって読んでいる時にこのものぐさ本読み機が切実に欲しくなる。贅沢を言うなら、照明を持ってページ全体を照らしてくれる「ものぐさ本読み機2〜ライト〜」も欲しい。ちなみに普通に座って読んでいる時は、本を持つ手ではなく背中を伸ばしてくれる「ものぐさ本読み機3〜姿勢〜」が欲しい。夢中になって読んでいると、どうしても猫背になってしまう。健康のことを考えると、背中の姿勢を正すのは読書の際の最重要課題のひとつと言って良いであろう。
一度この「ものぐさ本読み機」を発明して特許を取れまいかと考えたことがある。しかし、「重力に逆らって本を掲げ、紙に折り目を付けずにページをめくる」「今どこを読んでいるのかを認識し、ページをめくりたいかめくりたくないかという判断をする」という普段何気なくやっている動きが実は高度で複雑であるという事実に突き当たり、もし発明したらノーベル賞もの?と一瞬盛り上がったが、そんなものを作るのに一体どのくらいの年月と費用(と頭脳)が要るのだろうと気が遠くなり、やはり自分の手でめくるのが一番早いし安上がりという結論に至った。私が知らないだけで、この広い世界のどこかに既に存在するのかもしれないし。
というわけで、ものぐさ本読み機を夢想しつつ、ものぐさ読書は続くのであった。
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