Monday, November 4, 2013

誕生日だ!@STONEBARNSの巻(2)


くつろぐ豚さん親子。


























誕生日の旅は農場へとつづく。

いにしえ風の建物を出て、石造りの道をてくてく歩くと、農場はもうそこだ。階段を下りたところには、大きな野菜のハウスが3つほど並んでいる。ハウスの中できちんと整列する野菜の列、の先頭には見学者用と思われる野菜名を記入した立て札が。我ら「ザ・地方ズ」(地方出身者たち)からすればとりたてて感動する光景ではないのだが、一応へえ、とか、ほお、とか口々に声に出してみる。

「これは。。。キャロットだね!」(両者同意)

「これは。。。パクチー!」
「イタリアンパセリだよ」
「うそ!ほんと?」
「たぶん……」

中途半端なザ・地方ズであった。子供に野菜が育つ様を教える若いカップルを尻目に、さっさとハウスを後にする。数十メートル先にはなにやら小屋があり、人々が楽しそうに記念撮影をしている。その小屋の中には…羊の群れ!! 「クローン。。。」「いや別にここの羊は違うけど。」 Suiちゃんが突っ込んだ次の瞬間、多くの人たちがこの小屋に魅せられている理由を知った。柵の向こうには羊とともに、2匹の(若干汚れ気味の)ピレネー犬が!!
「ジョリー!」感激して叫ぶ私。Suiちゃんの頭上には?マークが点灯していた。これはおそらく私と姉以外には分かるまい。。



そこには2匹の「ジョリー」が。


このワンコたちは、「羊の群れを泥棒(観光客)から守る」使命を担っているらしく、羊たちを背にして、こちらを牽制するようにじっと見張っている。客が少しでも柵に近づきすぎると、その体の大きさからは想像しにくい素早さをもって吠えかかり、しっぽを優雅にゆらして、監視している者の威厳を我々に示すふうである。野生とは誇り高いものだなあと思う。家に飼われていると必要ないので、こういう本能に基づく俊敏で高貴な動きを忘れてしまうのだろう。実家にいるうちの犬なんかは完全にそうで、日々ゆったりというか、じつに日光に溶けた感じで暮らしている。しかし野生を知っていそうだがこの犬たちも実は柵の中にいる。柵の外側には人間が大勢彼らを見物している。小屋の後ろではまた人間が控えていて、時々彼らに指示を下す。それを思うとなんだか複雑な気持ちになった。。
しばらく観察した後で、体の大きさと働きぶりの違いから、彼らは兄弟である、と私たちは判断した。働き者の兄と、それを眺めながらゆったり寝そべる弟。仲の良い兄弟だね、と微笑む我々だったが、彼らの血縁関係の真相は闇の中である。
ちいさな子供が数人、嬉々として柵にかけ寄った。ワンコたちはどこか優しげな表情になり、興味深そうに鼻を柵から突き出していた。

さらに先をゆくと、開放的で居心地の良さそうな豚小屋があった。適度な数の豚が、食べたり寝たりしている。まさに千と千尋の神隠し。それから当然、もののけ姫、紅の豚。宮崎駿は日本人の記憶の操作に完全に成功している。それにしても豚って、存在感が本当に人間みたい。こういう生き物を食べていると思うと、また複雑な気持ちになる。「有り難いね…」「ほんとにね…」両者とも心の中で手を合わせて、豚小屋を後にする。今度は黒豚の放し飼いエリア。高電圧の通った柵がはりめぐらされている中、母親と子豚が楽しげにくつろいでいる。子供を産んだばかりの母親の豊満な胸を見て、Suiちゃん、「うらやましい…」と写メを撮り、さっそくFacebookにアップしていた。「でも、12個はありすぎかな!」たしかに。

農場はゆるやかな丘へつづいている。緑の丘の上で、空を見上げる。この日は本当にきれいな晴天で、空には雲一つない。「いやー、気持ちいいねえ。」「来てよかったねえ。」などと会話していると、足下の芝生に隠れた多数のうんこ発見。浮かれて足場を見失うなとのお告げか。
丘の上には大きな木の柵が巡らしてあり、なんとそこはザ・七面鳥天国。いるわいるわ、うじゃうじゃと。スーパーで羽を剥かれて首をちょん切られた彼らはよく見るが、生きている本物に出くわす機会はめったにない。これ幸いと近寄って見ると、七面鳥はなかなかにグロイ顔をしていた。とさかから続く赤いしわがそのまま顔になっているようだ。雄に至ってはくちばしの先から赤いしわをだらりと長く垂らしている。なぜだ?「この人たち、もうすぐ食べられちゃうんだろうね…」いちいちしんみりとする我々であった。


恐竜にしか見えない七面鳥たち


農場はさらに広く、その先には牛も見えたのだが、サンドウィッチも気になる事だしカフェに引き返す事にした。帰りがけにもう一度さきほどの羊小屋を通りかかると、後ろで働いている人が2匹のわんこに号令をかけているところだった。わんこたちは唸りながらパッと駆け出し、羊はその動きに恐れおののいた如く、我先にと奥へ移動していく。それを見て観光客は一斉に感嘆の声をあげていた。もちろん私も。


実はもはや体は食べ物を要求していなかったのだが、ここは意地でももう一度、やつをゲットだ!と勢い込んでカフェへ向かったところ、そこに見えたものは。。。



よりさらに長い列T_T



友人Aなら「カリスマがない」と私の存在自体を一蹴したことだろう。今年一年、大丈夫だろうか…本気で心配になってきた。それにしても、一体どこからこんなに人が湧いて出る?謎の多いStoneBarnsなのであった。
 

誕生日ケーキならぬ、誕生日アイス。

長くなるのでこの後のことを手短に書くと、われわれはカフェをあきらめてMain Street(街の大通り)のカフェを目指したのだが、なぜか友人Nにばったり出くわし、ハッピーバースデーと言われるサプライズ。ちなみにNはそのまま去って行った。やはり謎の多い街である。。。
大人気のアイス屋さんでMain Street Special(コーヒーアイス+チョコチップ)を食べてまったり誕生日トークをし(どんなん?)、帰りの汽車に乗ったとさ♪

家ではSuiちゃんとともにシャンパンを飲みながらトマトソースパスタを豪快に作って夕食にした。長い、たのしい誕生日でした。Sui ちゃん、素敵な一日をありがとう!!

またあのサンドウィッチを食べにくるよ!


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