立ち見ゾーンにてぷらぷら。 |
立ち見席(ゾーン)について、スタンバイOKのりーぬ。
まあこの値段でこの視界は悪くないな、とぷらぷら場内を見回したり、ストーリーを確認したりして第二幕の開幕を待っていた、その時だった。
とんとん、と誰かが左肩を叩いた気がした。
ん??
気のせいかと思ったが、いちおう振り返ると、そこにはスーツをびしっと決めた中年の紳士がふたり、立っていた。正面きってこちらを向いているのは、南米系の恰幅の良い大柄な男性。その後ろには、細身のロマンスグレーの白人男性。どちらも優しそうな笑顔が印象的。
明らかに知らない人たちなのだが、明らかに私の目を見つめ、明らかに私に手招きをしている。わ、わたし??
状況が飲み込めず、あんぐりしていると、
「君、英語は話せるか?」
は、はあ。。
「OK。僕らについてこい。」
と、にこにこしながらも緊急の要請。しかし、その柔和な雰囲気と、大勢の客@メトロポリタンオペラという状況につき危険な匂いはしないので、咄嗟にバッグとコートを引っ掴んで、彼らの後を追う。
大柄な紳士は途中振り返り、
「僕らはゲイカップルだから大丈夫。」
と、きらめく笑顔の自己申告&安全保証。笑
な、なんだろう?
彼らはどんどん先に行く。
と、オーケストラ席の、前から7列目の席に入っていった。彼らの隣りに空席が一つある。その席を指差し、
「OK。座りなさい。」
り「えっっっ!!」
どうやら、ひとつ余っていた彼らの席を、一人で立ち見の可哀想な(?)アジアンガールに譲ってくれたらしい。そ、そんなに悲壮感漂ってた?いや、ドレスアップ効果かな…。
ていうか、
ほんとにオーケストラ席げっとしちゃったよ。。あんぐり
冷静さを装っていたものの、密かにぶったまげていたりーぬであった。これは、結果的に(ラッシュの)ラッシュチケットをゲットしたということで、良いんですかね??ちなみにこの席は普通に買うと300ドル近くする。
「僕も学生の頃、よく君のように立ち見をしていたものだよ。」
満足そうな大柄の紳士。隣りで微笑むパートナー。
あー ゆー... ごっど。。。?
しかし彼らの名前は「神」ではなく、オスカルとマイクと言った。オスカルはキューバ出身、マイクはアメリカン。茶目っ気たっぷりで、いかにも裕福で人生楽しんでるゲイカップルといった感じ。気持ちにも余裕があるのが分かる。それにしてもこの展開は考えてもみなかった。ドレスアップしてきて、良かった。。。再び、自分にグーだ。
オーケストラ席、やはり良い!!近い!!
すべてがはっきりと見え、よく聴こえました。
主人公の相手役のお父さん役が登場すると、場内は大盛り上がり。歌う度に歓声が上がる。たしかに素晴らしい声。話すように歌っていたのが印象的だった。
幕が降りてから、二人にありがとう、と30回くらい言った。二人の紳士はにこにこしながら去っていった。なんて楽しいびっくり椿姫。友人もぶったまげていた。こういう出逢いがあるから、人生は楽しい。
良い一日でした。
↓思いがけないことほど楽しいですね♪
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