↑テディさん(もうじき5ヶ月) |
友達の赤ん坊の子守りをしてきました。ミッドタウンのホテルで、朝8時から夜6時まで、5日間。いや〜大変だった!!
というのも、私は赤ん坊なんて触ったこともないし、何の知識もなかったのです。「初日の朝、10分早く来て。教えるから」というステラ(友達)。10分でいいの?と思いつつ、7時50分にホテルに到着。
ステラ「泣いたらミルクあげてね。基本的にそれだけ。あとはメモに書いてあるから」と、小さな紙切れをくれた。赤ちゃんは、ベビーベッドに横たわってじっとこっちを見てる。かわいい!!まるで西洋人形そのものだ。が、、、大丈夫かなあ。不安でいっぱいな私を横目に、ステラは赤ちゃんを抱っこして、ミルクをあげて見せてくれた。ほうほう。。「やってみる?」と赤ちゃんを私にバトンタッチ。うわ〜!不器用に抱きかかえながら、哺乳瓶を口に持って行く、と、赤ちゃんは吸い付いてきた。うへ〜飲んでるよ。。。か、かんたん。。。じゃん??ミルクを飲み終えたのを見ると、ステラは赤ちゃんを抱き上げて、大人用の大きなベッドの上に寝かせた。うきゃうきゃと笑う赤ちゃん。見ているこちらまで笑顔になってしまうような、魔法のスマイル。「ついさっき離乳食をあげたから、あと数時間は大丈夫なはずよ。じゃ、行ってくるね。バイ!」
そして、小さなホテルの部屋には、私と赤ちゃんが残されたのだった。静かな室内、赤ちゃんのかすかな衣擦れの音が空間を支配する。。。
赤ちゃんの名前はテディ。もうすぐ5ヶ月。とても大人しい子なので、子守りの間に仕事もできるはずとのことで、画材をしこたま持参していた私は、取りあえず、とスケッチブックを取り出した。赤ちゃんなんて、こんなに珍しい生き物をスケッチしない手はないのだ!
しかし鉛筆を用意する間も、テディの視線が突き刺さる。スケッチの前に、ちょっと遊んどくか。。。何となくあやしたりしてるうちに、テディはうとうとし始めた。しめしめ。このままずっと寝ててくれないかな。。。なんて思いつつ、スケッチスケッチ。ところがだ、テディはすぐに目を覚ます。びくっと体中をのけぞらせて、また眠りに落ちる、を何度も繰り返す。私の友人に不眠症がいるが、こんなに小さいのに不眠症なのだろーか?かわいそうに。。。そして、テディが目を覚ます度に慌てる私。おちおち絵を描いてもいられない。
ステラが去ってから一時間ほどで、テディは泣き始めた。「泣いたらミルクやって」と言っていたが、もう?あと数時間は大丈夫なはずじゃ?おもちゃを叩いたり、変な顔を作ったりしてみるが、効果なし。仕方なく、初の単独授乳開始。うわー飲んでる飲んでる。しばらく飲むと、いらん、と哺乳瓶を突っぱねるテディ。もういいのかな?再びベッドに戻す。しばらく落ち着くのだが、また泣き出すので、また飲ませる。飲ませると、むせたり、吐き出したりするテディ。これは飲ませ過ぎなのでは、と心配になって何度もステラの携帯にメールを送り、確認する。それでいいとのことだ。ほんとか??うそでしょ??テディが落ち着く数分の間、ネットで赤ちゃん情報を調べまくる。しかし油断するとテディが泣き出す。泣かれるともうどうしていいのか分からない。クリーンレディが部屋を掃除しにきた時を除いて、これを午前中に3度ほど繰り返した。
そんな中、何とか物にしたスケッチ1。 |
これを描いた午前中はまだ余裕でした。 |
午前中は、それでもまだ何とかなると思った。スケッチも二枚描けた。しかし、午後は午前中の比ではなかった。とにかく、泣き止まない。ミルクもいやがる、吐き出す、おしっこはもれているし(おしめは代えないで、と言われていたのだが、代えたかった)、泣く泣く泣く。別に泣いていたって大丈夫なのだろうが、こちらが右往左往してしまうのだ。とにかく抱っこして、「ゾウさん歩き」をしてみる。鏡を見せるのとテレビを見せるのも効果があった。しかし、疲れた〜と、抱っこしたまま腰を下ろすと、もう駄目である。ぎゃんぎゃん泣き出す。そんな〜、どうすればいいのお!?
テディ本泣き&私も半泣きで2時間が経過した頃、部屋のドアを誰かがノックした。実は、さきほどもノックの音がしたのだが、怖いので出なかったのだ。今回はそっと開けてみる。すると、クリーンレディの制服を着た中年女性がふたり、いぶかしげに様子をうかがっている。「赤ちゃんがどうかしたの?」と、いかにも私が虐待でもしているのでは、と言わんばかりの視線。そうでしょうとも。
私は「新米のベビーシッターでして、赤ちゃんが泣き止まないのです。どうしたらいいでしょう?」と、藁にもすがる気持ちで尋ねた。ふたりは顔を見合わせて、「ミルクはやった?」「その泣き方はひどいから、胃が痛むのよ、きっと」などと言いあい、肩をすくめて帰って行った。役に立たんなあ。
しかし、テディの頭が熱い気がしてきた。まさか、熱があるのか?あのおばさんの言う通り、どこか悪いのだろうか?気が気でない。ネットで調べようにも、体から離すと泣くので、身動きができない。その後2時間ほど、テディは愚図り続けた。
私もそろそろ参ってきた、という頃、テディが大泣き開始。さすがの私もこれはミルクだと察知し、哺乳瓶用意!「ん、ん、」と、飲むわ飲むわ。最後の3本目の哺乳瓶が空きそうになるまで飲んだ。こんなに一気に大丈夫なのか?と目を見張っていると、「んあ、んあ、」と飲みながら、徐々にテディの体から力が失われていく。なんと、テディは飲みながら眠りに落ちて行ったのだった。これまでの苦労が吹き飛ぶほど、かわいい〜と思った一瞬だった。
テディをそ〜っとベッドに運んで、やれやれ、と一息をつく。なんという長い戦いだったのだろうか。。。このままステラが帰ってくるまで眠っていてくれ!と本気で祈る私。しかし、相変わらずテディの眠りは浅い。うう。。。
それからステラのかえってくる6時までの2時間が、何と長く感じられたろう。テディは再び泣き出し、ミルクとゆさゆさ歩きでなんとか乗り切った。部屋にステラが入って来た時は、ほんとに、輝いて見えましたよ。お母さんがあやすと、テディは今までの仏頂面が嘘のように、きゃきゃきゃと天使の笑顔。感心して見入ってしまった。
こいつと5日間もうまくやっていけるのだろーか、とものすごーく不安になったけど、不思議と、まあ何とかなるだろうという気がした。とにかく腹をくくって、朝6時に起きるために12時にベッドに入った1日目の私だった。
▽長くてスミマセン。。。ぽちっと応援クリックよろしくです♪
No comments:
Post a Comment