Tuesday, December 29, 2009

ピータールーガーに見るステーキinアメリカ (前半) 























「ピータールーガー」というステーキハウスに行ってきた。ここはNYを訪れる人ならば誰でも「ディナーは一ヶ月先まで予約がいっぱい」の店として一度はガイドブックで読んだことがあるであろう有名店である。気にはなっていたが縁がなかったこの店、先日ついに来店の機会に恵まれた。噂の真相は果たして本当であったため、ディナーは諦め、2時からのランチに甘んじたものの、後述するがこれは大正解であった。

とにかく、NY随一と謳われる有名ステーキ店である。いかにも権威と歴史がある様な偉そうな店の面構えにも負けじと、私と連れの二人は勇ましく乗り込み、メニューを睨む。さあアメリカのステーキを食ってやろう。どれにするどれにする?ウェイターの注文の催促を三度ほど断り、熟考の結果私たちが選んだ物は、最もスタンダードな「Tボーンステーキ」一人前と、「チョップドステーキ」であった。「Tボーンステーキ」は骨付き肉、「チョップドステーキ」は要するにハンバーグである。

取りあえずその二つを注文して安心したのも束の間、隣のテーブルの高齢のアメリカ人紳士の皿が気になりだした。彼はナイフとフォークを巧みに使い、紅白の何やらおめでたそうな前菜を楽しんでいる。あれは何か?トマトとオニオンのスライスのようだ。それらをバラバラに切り刻み、この店独自のステーキソースをかけ、赤白茶色と混ぜながら悠々と口に運ぶその常連っぷりは、「ただの玉ねぎとトマトのスライスに10ドル」と分かりつつも、ウェイターに即「あれをください」と追加注文させるに十分であった。結果この一品はトマトも玉ねぎも肉厚で甘く、さっぱりとしているのでステーキに合うのだが、「やはりただのスライスに10ドル」と思ってしまったことも隠さずに書いておく。肉と野菜のバランスを考えて余裕があれば頼んでも損はないと思う。

我々は他に気になった「クリームドスピニッチ」もこの際と腹をくくって注文。ピュレ状のほうれん草のクリーム煮といったら良いだろうか。私には味付けが濃すぎ、かつバターたっぷりなのでヘルシーかどうかは全く疑問だが、とにかく野菜も食べたという満足感は得られる一品であった。(続く)


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