NYに来て驚いたことのひとつに、食品の鮮度の悪さが挙げられる。ブルックリンの安さを売りにするスーパーのみならず、マンハッタン内の普通のスーパーや、ましてや高級スーパーとして有名なホールフーズでさえも、カビが生えて白くなったイチゴやらパンやら総菜やらを堂々と売っている。
NY生活の最初の頃、マンハッタンのとあるスーパーで友人とふたり分け合うべく、ゴルゴンゾーラチーズソースのペンネを買った。寮に帰ってさあ食べようと喜び勇んでフォークを持つ私と友人。わくわく、いただきまーす!うーんおいしい、ね!うん!あれでも何これ?ペンネの上に所々、何か見覚えのないものが。ナンジャ?よく観察するとそれは、ペンネの上に見事にふさふさと生い茂った白カビであった。その余りの堂々たる風貌ゆえに友人は、私が奇声を発するまで、カビなどとは露程も思わず、嬉々として食べ続けていた(その後一騒動あったのは言うまでもない)。この国の売り手には良心というものがないのか、と憤った今では良き思い出であるが、その後四年間に及ぶ考察の結果は、「そもそも『売り手の良心』などない」ということである。向こうは売り物なら何でも売る。それが腐ってようがいまいが関係ない。買い手が判断すればそれでいいのである。日本のスーパーでもし腐ったものを堂々と売っていたらすぐに問題になるだろうが、ここでは文句を言う人すらいないのではないだろうか。腐った物でも売る自由があるのがアメリカらしいのかもしれない。
話は逸れたが、とにかくNYで食品を買う時は要注意。野菜も鮮度が良いとは言えない。近所のスーパーでは常にほうれん草がスプリンクラーの水に溶けてグジャグジャしているし、よく見ないとオクラもトマトもカビだらけ。安く、かつ新鮮でおいしい野菜はどこへ行けば手に入るのか?答えは、NY近郊の農家の集う「ファーマーズマーケット」である。マンハッタン内にいくつか存在するこの市場、規模で言えば何と言ってもユニオンスクエアに立つものが大きくて有名。生きのいい巨人のような人参5本が1ドル50セント!などと言った場面に出くわすと、買わずにはいられない。まだ土がついている人参は日光を受けてキラキラと光り、「私を食べて!」と訴える。ああ、今日もまた買ってしまった。これはもう、ただ皮を剥きスライスして食べるだけでうまい。甘くて、ほろにがい、「これが人参の味だ」としみじみ思ってしまうのである。
そんなおいしい人参を使えば、もう何をしてもしなくてもおいしいのだが、ここではその魅力を更に引き出す簡単料理をご紹介。「人参の炊き込みご飯」である。
*****材料**********************************************
米(2カップ)
人参(半分〜)
バター(ひとかけ)
塩
水
*****作り方********************************************
1。普通にお米を磨ぐ。炊飯器にセットして好みの水加減をする。
2。塩をひとつまみ入れて混ぜる。
3。みじん切りにした人参を2に入れ、ざっと混ぜる。
4。バターを入れ、普通に炊く。
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炊飯器の蓋を開けたら、お米とバターと人参の良い匂い。四角に切った人参がほんのりオレンジで見た目もかわいらしく、とても華やか。自然の甘みで、ついご飯が進みます。彩りが良いのでカレーにもぴったり。お勧めです。
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