Wednesday, August 26, 2015

りーぬ、配達人とケンカ?!の巻

大きな声で、はっきりと♪

その気持ち良く晴れた夏の終わりの午後、私は浴室でシャワーカーテンを洗っていた。汚れてきたなあとずっと気になっていたのを、なぜかその時ふと本気で洗うことにしたのだ。ゴム手袋をして、洗剤と漂白剤をまぜた液にカーテンを浸し、ごしごしと手洗いをする。うーん、落ちてんのかなこれ?もう少し漂白剤入れるか?ごしごし。

その時、はるか遠くで私の携帯が鳴っていることに気付いた。

本かな、と思った。ベルリンのギャラリーに出品していた本が帰ってきた、という受取り担当の人からの電話かと思ったのだ。急いで手袋を外し、部屋に駆け込むが、取る前に切れてしまった電話は、よく見ると知らない番号ではないか。

???誰?

しかし、二回もかかってきているし、留守電まで残っている様子。やはり本か?と思った瞬間、もう一度同じ番号から着信があった。すかさず取る。"Hello?"すると、相手は予想外に男で、早口で何やらまくしたてる。早い!と一瞬焦るが、

"Package"
"Stewart"(スタジオのビルのある通りの名前)
"come again tomorrow?"

だけ何とか聞こえた。

あ!阪急に出してた作品が帰ってきたんだ!配達人が荷物を持ってスタジオ前にいるのだろう。発送後にトラッキングナンバーをもらえる予定だったのが、とんと連絡がなかったので、てっきりまだ配送されていないのだと思っていた。スタジオまでは徒歩10分強の距離。慌てて配達人に言う。

"Can you wait for me a little bit? I'll be there in 10 minutes!"
(ちょっと待っていてもらえますか?10分後に行きます!)

すると…予想外の返事が返ってきた。

"NO, listen, ma'am, I called you 7 times and waiting more than 15 minutes! I can't wait any more! Is there anybody in the building to open the door?"
(おいおい、俺はあなたに7回も電話してるし、15分もここで待ってるんだよ!これ以上待ってられないよ!誰かビルにいないのか?)

いやっ…、二回しか着信なかったし!これ三回目だし!今そこにいないけど、すぐ行くからと言っても、ぎゃーぎゃーと同じことの繰り返し。これはとにかく主張を伝えなければと判断した私は、普段の私には考えられないような(汗)大きい声&強い口調ではっきりと、

"I"LL・BE・THERE・IN・10・MINUTES, PLEASE・WAIT!!"
(今から行きます!10分で!待ってて!)

と言い放った。すると相手は一瞬黙り、ブチッと電話を切った。

態度わりぃー!と思う暇もなく、着替えて鍵をつかみ、猛ダッシュ。もしかしたら本当に帰ってしまうかもだが、彼が電話を切るときの一瞬の間は、ぶち切れているけれども仕事だし一応10分待つしかない、というような無言の悔しさを滲ませていたので、それに賭けるしかなかった。明日はバイトでスタジオに行けないのだ。受け取るなら今日しかない。

走った、走った、久しぶりに肺が痛くなるまで走った。ちょっと風になったような気さえした(←余裕?)。10分とかからなかっただろう、スタジオのビルに着いたが、ぜいぜいしてうまく息が出来ない。ドアの前には誰もいない。辺りを見回しても、配達の車らしきものは見当たらない。ヤバい、帰ったか?!電話を出して、さっきの番号にかける。と、道路の反対側に停めてある黄色いバンが目に飛び込んできた。あんな配達の車、みたことないけど… Indian Internationalとか書いてあるし、もしかして??電話を耳元に持ちながら、そちらの方に回り込むと、半分開かれたバンの中で、黒人の強面の兄ちゃんが電話をつかんで不機嫌そうな顔をしているのが目に入った。あれだ!

私 "Hi, are you ..."
(こんにちは、あなたは…)

強面の兄ちゃんはこちらを見るなり私の言葉をさえぎり、すごい剣幕で文句のオンパレードを浴びせかけてきた。たった今帰るところだった、こんなに待たせるなんて有り得ない、どうしてくれるんだ、問題になるところだぞ、8回もかけたのにお前は出ない…云々。そんなこと言われても私の電話はそんなに着信なかったし!でもソーリーね、なんてなだめようとしたけど、効果なし。仕方なく私は携帯を取り出し、

 "I ONLY received your calls THREE TIMES! LOOK!!"
(私は3回しか電話受け取ってないって!見てよ!!)

と、(3)と表示された着信履歴をずいと突き出した。しかし相手も負けてはいない。俺のを見ろ!と携帯の履歴を見せて来る(汗)。そこにはたしかに(8)と表示があったが、実際私は受け取っていないのだから、文句を言われても困る。言うなら電話に言ってくれ、と言いかけると、私から彼にコールバックした回数をカウントして「ほらやっぱりもっと受け取ってるじゃないか!」と言い出した。ちーがーうー!私はついに大声で、

"It's the calls I made!!"(これは私がかけた電話!!)

この一言でようやく私が嘘を言っているのではないことが分かったのか、兄ちゃんの怒りが少し収まったのを感じたので、すかさず畳み掛けるように、Thank you so much for waiting! You saved my life! Thank you very much!!と勝手に大感謝祭を開催し、ついでにわざと咳き込んで頑張って走ってきた感を強調し(演出のつもりが吐きそうになり、その後30分間本気で苦しんだ…)、さっさと荷物を受け取りサインして、さよならー!した。

スタジオに荷物を運び入れると、汗だくになっていることに気付き、イスに座って、しばし呆然… 。はーびっくりした。荷物を無事に受け取れたのは超ラッキーだったけど、すごい疲れた… 。一体全体今のはなんだったんだ…(呆然)。
それにしても、強面の兄ちゃん相手に私もずいぶん強くなったものだ。しかも相手があんなに怒っててもぜんぜん怖くなかったし。成長したな〜!!と、しみじみ(着信何回とかケンカの内容はくだらなすぎたけど )。そのうち、怒りながらもすぐ帰らずにちゃんと10分間待っててくれた強面の兄ちゃんに感謝の念が湧いてきた。兄ちゃん、ありがとよ!!

ケンカというか、カラッとした言い合いというか… 大声で主張し合うのが当たり前の、いかにもアメリカらしい体験でした。笑

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